「公園の顔」としての遊具(曾根 大樹)

私は2014年に大学を卒業してから数年間、造園会社にて公園工事の施工管理に携わってきました。今年、地元である静岡市に入庁し、これまでの経験を活かしたいという思いから、静岡市内を巡りながら公園の魅力を探しています。

静岡市の公園は昭和40年代から60年代に造られた古い公園が多く、それゆえに昔ながらの公園施設が数多く残っています。なかでも、現在では職人不足により貴重となっている人研ぎ構造物や高さのあるスリリングな鉄製遊具が多く残っています。このような施設は、現場での加工が多いため、その公園にしかない一点モノも多く、いわゆる「公園の顔」として子どもたちへ遊びを提供しています。

吊り橋やジャングルジムを複雑に兼ね合わせた遊具

この公園にしかない人研ぎ造形滑り台

登る場所は無限にあるコンクリート製滑り台

チェーンで登る色鮮やかなクライム遊具

同じような規格の遊具や標準的な仕様で造られる舗装などにあふれた公園は、どこにでもあるつまらない公園になってしまいます。静岡の公園に残る「らしさ」を公園の魅力として位置づけ、守っていくことが必要であると感じています。

一方で、身近な公園を取り巻く環境が変わっていくなかで、使い手や公園に求められる姿が常に変わっています。このような状況に目を凝らし、その公園らしさを残しつつ、使い手が感動するような場を造っていくことが、造園行政職員の腕の見せ所であると思います。